報道関係

2009年(平成21年)6月28日(日曜日) 朝日新聞
オブジェに見入る江角由利子さん(手前)と山崎順子さん=出雲市林木町
 事件や事故で命を奪われた被害者の写真や遺品、等身大の人形(ひとがた)パネルを展示する「ミニ生命(いのち)のメッセージ展 in 鳶巣」が、出雲市東林木町の鳶巣コミュニティーセンターで開かれている。亡くなった当時3〜48歳だった25人の人形パネルが並び、来場者に命の重みを訴えかけている。29日まで。
 メッセージ展は01年から全国各地で開かれ、同市も08年9月、45回目の開催地となった。今回のメッセージ展は、センターのチーフマネージャー山崎順子さん(49)が企画。昨秋のメッセージ展に足を運んだ次男(18)が「命は重たい」と山崎さんに感想をもらしたことがきっかけで、開催を思い立ったという。
 会場には飲酒運転の事故に遭って亡くなった江角真理子さん(当時20)の身長と同じ158センチのパネルも並ぶ。江角さんは99年12月、友人らと軽乗用車に乗っていた際、対向車線を越えた乗用車に正面衝突された。
 母由利子さん(61)は、人形パネルの傍らにピンクのドレスを展示。「あなたの子供が見たかった、この手に抱きたかった。ドレスは望みが叶えられなかった母の切ない想いの象徴です。もう一度、会いたい」とメッセージを添えた。山崎さんは「自分たちの手でメッセージ展を開催し、命の重たさを伝えたかった」。由利子さんは、昨秋のメッセージ展を主催した実行委員の1人。「他の人の手によって、まいた種の芽が出た。活動が広がっていくことはうれしい」と話した。
 午前9時〜午後5時(29日は午後4時)飲酒運転の車にはねられて息子を失った母親を描いた映画「0(ゼロ)からの風」を、28日の午前9時半と午後1時半の2回、上映する。  (高橋健次郎)
 

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