止まった時間
亡くなったのは大庭三弥子さん=当時(21)、福岡県前原市出身=、江角真理子さん=同(20)、島根県斐川町出身=、大谷知子さん=同(21)、同=。大庭さんは公園の設計、江角さんは得意の英語を生かせる仕事、大谷さんは小学校教員をそれぞれ目指していた。
「鳥取市内の病院に着くと、手を合わせてベッドに寝かされ、割ときれいなままの姿で…。一番辛い場面でした。八年の歳月が流れても、娘と私の時計は止まっているように思います」。大谷さんの母親・浩子さん(51)は振り返る。
江角さんの母親・由利子さん(59)は「みんな、みんな、一生懸命に生きていました。あの日、私が勤めた図書館の司書教諭の免許を取るための集中講義を受けていなければ、出発は早く、あんな飲酒運転の車には出会わなかったのに」と今も自分を責めてしまうという。
悪質な事故にもかかわらず、加害者の男性=当時(四七)=に言い渡された判決は懲役三年。由利子さんらは他の事故の遺族らと協力して悪質運転事故の厳罰化を求める署名運動を展開し、最高刑を大幅に引き上げる危険運転致死傷罪が新設された。 |