一九九九年に智頭町で起きた、飲酒運転の乗用車に衝突され、鳥取大学の女子学生三人が死亡した事故と、二〇〇五年に浜田市で起きた消防士殺人事件の遺族が、斐川町直江の町立図書館でミニ生命(いのち)のメッセージ展 を開いている。会場に設置された等身大の四人のパネルが、生きた証しや理不尽に命を奪われた無念さを伝えている。九月に出雲市で開かれる「生命のメッセージ展」を前に、同展の理解を深めてもらうのがねらい。三月二日まで。
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「ミニ生命のメッセージ展」=斐川町立図書館 |
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懸命にブレーキ |
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タンポポの綿帽子を吹く大庭三弥子さん=当時(二一)=の写真。母親の由美子さん(五六)=福岡県前原市=はメッセージで「美弥子の右足はひざから骨が飛び出していました。トンネルを抜けて緩やかなカーブを曲がると対向車が自分の車線に突進してきたのでびっくりして、大切な親友と自分を守るために一生懸命ブレーキを踏んだのです。その時の恐怖心はどのようなものか想像がつきませんが、代わってあげたかった」とつづる。
大庭さんは、鳥取大の砂濃緑化の取り組みに感銘して同大農学部に入学。両親には大学院まで進んで後援の設計の仕事したいと話していた。
その隣には、ともに斐川町出身の江角真理子さん=同(二〇)=、大谷知子さん=同(二一)=のパネルが並ぶ。それぞれ語学研修先のロンドンや成人式の晴れ着姿で笑顔を見せている。
大学入学後十カ国を訪ね、英語が堪能な江角さんは旅行会社への就職、ピアノと国語が得意な大谷さんは小学校の教員を目指していた。 |