報道関係

2008年(平成20年)3月23日(曜日) 山陰中央新報
 三月末で退官する県立大短大部看護学科の江角弘道教授(63)=島根県斐川町神氷=の最終講義がこのほど、出雲市武志町の地域交流ホームつどいであり、一九九九年に飲酒運転による交通事故に巻き込まれて次女の真理子さん=当時(20)=を亡くした体験を通して、命の大切さを訴えた。

 住職でもある江角教授は仏教思想や、専門分野の物理学、金子みすゞの詩など多角的な切り口で「命」について解説。娘を失った無念の思いを童謡「シャボン玉」の歌詞に重ね合わせて命のはかなさを説き、般若心経の一句「色即是空空色」も引用しながら「人は空から来て空へ帰っていく、と娘の死から感じた」と述懐した。
 さらに「亡き人は、見えない命としていろいろなメッセージを伝えてくれる」と強調。犯罪や交通事故の犠牲者の遺品を展示して命の尊さを訴えるため、同教授が実行委員長として九月に出雲市で開く「生命のメッセージ展」を紹介し、「不条理な死は絶対に起こしてはならない。声なき声を感じて受け止めてもらえたら」と呼び掛けた。
 最終講義は、県立大短大部出雲キャンパスの第一回アカデミック・サロンとして開催。市民ら五十人が聴講した。
 

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