報道関係

2008年(平成20年)7月5日(土曜日) 朝日新聞
 
 交通事故で娘を失った斐川町の大谷浩子さん(52)と江角由利子さん(60)が4日、町立出東小学校で6年生約50人に、遺品の靴などを見せながら命の貴さを語りかけた。
 大谷さんの長女知子さん(当時21)と江角さんの次女真理子さん(同20)は、同町で育った。鳥取大学の3年生だった99年12月、鳥取県智頭町の国道で、2人が乗っていた軽乗用車は、飲酒運転をして対向車線をはみ出した乗用車と正面衝突し、死亡した。
 大谷さんは、知子さんの身長と同じ157センチの人型のオブジェを前に、「知子は小学校の先生になりたくて仕方なかった。でも、命が一瞬にしてなくなったのです。自分の命、他人の命に優しくあってください」と語りかけた。オブジェには、教育実習をしたときの写真を張り、足元には生前履いていた23センチの茶色の靴を添えた。

長女の写真を飾ったオブジェを前に児童に語りかける大谷浩子さん=斐川町三分市
 授業を受けた古川千夏さん(11)は「夢をかなえられず、亡くなったことがつらかった。命は大切だと思った」と話した。
 大谷さんや江角さんは、事故などで急死した家族の遺品を全国で巡回展示する「生命のメッセージ展」に参加してきた。9月12〜14日には出雲市のビッグハート出雲で同展が開かれ、約130人の遺品が展示される。
 実行委員の江角さんは「今日、生きていることが当たり前でないということを通して、命の重みを伝えたい」と話した。問い合わせは江角さん(0853・72・8379)へ。
 

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