報道関係

2008年(平成20年)10月2日(土曜日) 読売新聞
 犯罪や事故の被害者、遺族を支援する「とっとり被害者支援センター」(鳥取市千代水)が1日、本格的に活動を始めた。これまで相談にあたっていた事務局職員2人に15人のボランティア支援員が加わり、警察や病院への付き添いなどの直接的な支援も行う。田中完治事務局長は「実績を重ね、事件や事故の発生直後から警察の連絡を受けて駆けつけられる『早期援助団体』の指定を目指したい」と話している。
 センターには、事務局の職員と、支援員15人のうち1人が交代で常駐。電話相談を受け、被害者らの心情に寄り添いながら必要な支援を行う。初日に詰めた50歳代の女性支援員は「カウンセリングなどの勉強を続け、少しでも遺族や被害者の悲しみを和らげたい」と話していた。
 全国で支援組織がないのは鳥取、徳島両県だけになっていた。1999年12月、智頭町で飲酒運転の乗用車に衝突されて当時20歳の次女を亡くした江角由利子さん(60)(島根県斐川町)は「当時はどこに相談すればいいのか分からず、悲しみに暮れるばかりだった」と振り返る。
 後に「全国交通事故遺族の会」を知り、東京で他の遺族と交流。加害者の公判で意見陳述できることなどを教わったが、時間や交通費の負担は大きく「近くに支援者がいれば」と感じたという。「事故の後は、人に会うのが嫌で買い物にも行けなかった。家事援助もあってほしい」と支援の充実に期待していた。
 センターの年間運営費約700万円は、大半を自前で確保しなければならないという。県公安委員会の「早期援助団体」指定も財政の安定が条件になるため、センターは寄付や賛助会員を募っている。
 相談は、センター(0857-30-0874)へ。
 

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