報道関係

2008年(平成20年)10月31日(金曜日) 島根日日新聞社
事故の日までの暮らしが克明に記された真理子さんの手帳を児童らにみせ、親としての思いを話す江角さん
 「生命のメッセージ展in出雲」で命の尊さを訴えてきた江角由利子さん(60)が、年間を通して「いのち」について学んできた出雲市立四絡小学校(落合富士雄校長、出雲市大塚町)の六年生に二十八日、悪質な飲酒運転により犠牲となった娘・真理子さん(当時20)について語り、命の大切さを説いた。
 江角さんは、メッセージ展のために、折り紙「いのちハート」を制作した六年生百十三人に、真理子さんが事故に至った経緯や、親としての思いを、形見となった手帳や幼いころの「生活ノート」、へその緒など真理子さんの思い出を示しながら紹介。「命のバトンを途絶えさせないで、自分の命を大事にして。次の世代にバトンタッチして」と訴えた。
 また、この事故を機に飲酒事故の厳罰化へ向け署名活動をしたことに触れ、「みんなが、もし、いじめにあっていたとしたら、声をあげましょう。きっと、その声は届くから」と呼び掛けた。
 児童らは、「今まで、家族や知り合いが亡くなったことがない。命のバトンパスは一人でも欠けてはいけないことが分かった」、「みんな一人ひとりに親がいる。もし、私が死んでしまったら、すごく悲しむのではと思った。江角さんもすごく、悲しそうだから」などと感想を話した。
 亡くなった真理子さんと同級生だったという六年担任の伊藤真哉教諭(30)は、「子どもたちが、自分のこととして捉えている。その中で、何をしなくてはいけないのか考えて欲しい。多くの人にこの思いが伝われば」と話す。
 児童らは、同校で二十一日に開かれる学習発表会で、これまで様々な観点から学んだ「命」や「人権」について、小海永二氏の詩「いのち」の群読などを織り交ぜて発表する予定。
 

報道関係へ戻る >>